2012/09/01

韓国紙も訝しむ河野洋平の沈黙


慰安婦の証言以外に強制連行(行政による動員)の証拠が見つからない中で、河野談話は実質的に証拠に準ずるものとして扱われている。つまり「強制連行」は日本政府公認の歴史的出来事という理屈である。例えば朝鮮日報はこのように書く。

...国会ではこの日、日本政府が慰安婦の強制連行を認め、謝罪した1993年の「河野洋平官房長官談話(河野談話)」を撤回すべきとの意見も飛び出した。


その為、韓国(と日本の強制連行派)は、河野談話の撤回を警戒している。そんな彼らだから、河野洋平本人の話を聞こうとアプローチを試みたようである。

本当は日本の報道でクロスチェックしたいところなのだが、何年も前から河野洋平は日本メディアのインタビューを拒んでいるようである。産経の阿比留記者は5年前に、いろいろと理由をつけてインタビューを断られていると書いていた。そして、以前は韓国紙のインタビューには応じた河野だが、今回は韓国メディアも河野本人から直接話を聞くことは出来なかったようだ。ソウル新聞は、2年前にインタビューした時と違う河野の態度に困惑気味?

河野は秘書を通じ、騒ぎが静まったら自分の立場を述べると伝えたとされるが、むしろこんな時だからこそ証言すべきではないのか?

安倍晋三元首相や松原仁国家公安委員長など日本の政治家たちが、慰安婦の強制連行を認めて謝罪した「河野談話」の見直し・撤回を主張していることをめぐり、1993年に談話を発表した河野洋平元官房長官(写真)は29日「(自分の)立場は談話を発表したときと全く変わっていない」と語った。河野元長官の事務所関係者が、本紙の電話取材に応じ同氏の見解を伝えた。

同関係者は「(河野氏は)最近の状況に非常に不満を感じており、日韓関係をとても心配している」と話した。先ごろ一部の国会議員が、談話発表の経緯や事実関係を確認するため河野氏の参考人招致を求めたことに対しては「正式な手続きを踏んだ上で要請があれば、国会で談話に対する立場を堂々と語る」とした。河野元長官はまた「日本と韓国は今回の事態にもう少し冷静に対応してほしい」と語ったとのことだ。

河野元長官は、2007年に当時の安倍晋三首相が「旧日本軍の強制連行はなかった」と主張すると、インタビューで「慰安婦の強制連行がなかったという議論をするのは知的に誠実ではない」と批判した。また、慰安婦の徴集命令を裏付ける証拠資料がないとする右翼の批判には「処分されたと推定できる」と指摘したほか「私は信念を持って談話を発表した」「元慰安婦16人からの聞き取り調査で、明らかに厳しい目に遭った人でなければ証言できないような状況説明が次々と出された」などと語った。

河野元長官は1967年に政界入りした後、衆議院に14回当選した。官房長官、自民党総裁、衆議院議長などを歴任し、09年に政界を引退。引退する際、後輩の議員たちに「日本は被害者であるだけでなく、加害者でもあったということを学んでほしい。特に韓国と中国に関する外交を真剣に考え、正しい姿勢で臨んでもらいたい」と語った。

河野氏は自身の談話をめぐり、極右派の政治家たちから集中的な批判を浴びていることについて「談話を否定することで米国でも問題となり、アジアやオランダなどでも論争が起きた。『日本で政治とは何なのか』という言葉を聞いたのは、非常に遺憾だった」と述べた。


●2010年本紙インタビュー時は「謝罪」

1993年8月4日日本軍慰安婦問題と関連して日本政府の謝罪を入れた「河野談話」を発表した河野洋平前官房長官は最近韓国・日本外交葛藤に対して複雑で息苦しい心情を表明したと伝えられた。

河野前長官の秘書は29日ソウル新聞との電話インタビューで「河野前長官が官房長官を務めた者として日本軍慰安婦問題に対して『今は話す状況でない』という立場を見せている」とし「韓国と日本が激しく対立する今をすぎて雰囲気が沈めば慰安婦問題と河野談話に対する立場を言及するだろう」と話した。

河野前長官の「沈黙」は2010の年ソウル新聞とのインタビューで日本政府の責任、慰安婦に対する丁重な謝罪を伝えた時とは明確に違う姿だ。 彼は当時「日本軍慰安婦問題は明らかな事実だ。 当事者が途方もない苦痛を味わったという点で日本はどうにかできる仕事はしようと思った」と話した。

●「安倍は常に慰安婦問題否定的」

安倍晋三前総理が慰安婦の強制動員を否認したのと関連しても河野前長官は「安倍前総理は常に否認する立場を堅持した。 それほど驚くことではなかった。 もちろん変だとは考えた。 しかし私があえて明らかにしなくても多くの国民はすでによく知っている真実だ」と言及した。

ソウル新聞 2012.9.1

追記: 河野はウォールストリート・ジャーナルの取材も断ったようである。しかも、彼の側近は匿名を条件に話したという。引退したといっても、河野は先日もサンデーモーニングに出演していた。

...Mr. Kono, now retired, declined a request for an interview through an aide. "My understanding is Mr. Kono's position on the statement remains the same," said the aide, who asked not to be identified...(既に引退している河野氏は、側近を通じてインタビューの要請を断った。「私の理解では河野氏の立場は変わっていない」と匿名を希望した側近は述べた)

WSJ 2012.9.19

[위안부 증거 있다] ‘위안부 사죄’ 고노측 “지금은 말할 상황 아니다”

●2010년 본지 인터뷰땐 ‘사과’

1993년 8월 4일 일본군 위안부 문제와 관련해 일본 정부의 사죄를 담은 ‘고노 담화’를 발표한 고노 요헤이 전 관방장관은 최근 한·일 외교갈등에 대해 착잡한 심정을 피력한 것으로 전해졌다.

고노 전 장관의 비서는 29일 서울신문과의 전화통화에서 “고노 전 장관이 관방장관을 지낸 사람으로서 일본군 위안부 문제에 대해 ‘지금은 말할 상황이 아니다’는 입장을 보이고 있다.”며 “한국과 일본이 격렬히 맞선 지금을 지나 분위기가 가라앉으면 위안부 문제와 고노담화에 대한 입장을 언급할 것”이라고 말했다.

고노 전 장관의 ‘침묵’은 2010년 서울신문과의 인터뷰에서 일본 정부의 책임, 위안부들에 대한 정중한 사과를 전했던 때와는 확연히 다른 모습이다. 그는 당시 “일본군 위안부 문제는 분명한 사실이다. 당사자들이 엄청난 고통을 겪었다는 점에서 일본은 어떻게든 할 수 있는 일은 하고자 했다.”고 말했다.

●“아베는 항상 위안부문제 부정적”

아베 신조 전 총리가 위안부의 강제 동원을 부인한 것과 관련해서도 고노 전 장관은 “아베 전 총리는 항상 부인하는 입장을 견지했다. 그다지 놀랄 일이 아니었다. 물론 이상하다고는 생각했다. 그러나 내가 굳이 밝히지 않아도 대부분의 국민은 이미 잘 알고 있는 진실이다.”고 언급했었다.