2013/06/23

日本の金でベトナム(ライダイハン)に賠償するという偽善


このニュースは、Eiji Nakanoさんも触れていたと思う。「韓国軍性暴行被害者は...一人で子供を育てたり、二世も日雇い労働者や街頭での行商などをしながら、不安定な生活を送っている」・・・いわゆるライダイハン問題。

しばしば、韓国が慰安婦を持ち出すならこっちはライダイハンを問題化させようというような議論を見かける。自分もライダイハンについて触れることはあるが、ライダイハン問題をカウンターの為に持ち出すのは違うような気がする。もともと韓国人はこの問題をあまり気にしていない。どこの国にもあった不祥事と見なされているからだろう。挺対協は元々女権論者の集団だから、韓国軍の性暴力にも批判的である。ユン・ミヒャンは著書の中で、日本のようになるな!と言って韓国人に反省を促している(苦笑)。ただし、彼女たちは韓国軍にも慰安婦がいたことには口を噤んでいる(理由は明らかだろう)。

日本の金でベトナムに恩を売ろうという挺対協は賢く、そして戦略的である。普通に考えれば、彼女たちと深い繋がりのある女性家族部(韓国政府)に救済措置を促すのが先だろうという話である。恩を売るというのは、彼女たちの国際ネットワーク作りの一環でもあるのだろう。

慰安婦被害ハルモニ ベトナム戦争性暴行被害者 助ける

日本軍慰安婦被害者のハルモニが、ベトナム戦争性暴行被害者のために支援基金を出した。

韓国挺身隊問題対策協議会(挺対協)は、日本政府から受ける法的賠償金である「ナビ(蝶々)基金」から、ベトナム人のグエン・バン・ルオン氏(43)、グエン・ティ・キム氏(女性・43)にそれぞれ6千ドル、4千ドルを送ったと17日、明らかにした。

挺対協は、日本軍慰安婦被害者の金福童(キム・ボクトン)ハルモニ(87)、吉元玉(キル・ウォンオク)ハルモニ(84)の意思により、ベトナム戦当時、派兵した韓国軍による性暴行で生まれたルオン氏とキム氏を助けることになったと明らかにした。日雇いでエビ獲りの仕事をしていたルオン氏は、挺対協の支援により、30年契約で畑を借り、農作業をすることができるようになった。キム氏は建物を借りて商店を開く予定だ。挺対協関係者は「ベトナム現地にいる韓国軍性暴行被害者は、大部分が(正式に)結婚できずに一人で子供を育てたり、二世も日雇い労働者や街頭での行商などをしながら、不安定な生活を送っている」と話した。

挺対協は、昨年3月慰安婦被害者ハルモニが、日本政府から法的賠償金を受けることになれば、戦争性暴行被害者を助けるのに使う予定だと明らかにした。しかし、日本政府が依然として賠償しておらず、ハルモニの意思に賛同する市民の寄付金でナビ基金を用意した。歌手のイ・ヒョリ氏が初代推進委員として500万ウォンを寄付し、約300団体と個人が参加して7千万ウォン以上が集まった。挺対協は、昨年コンゴ民主共和国の内戦での強姦被害者であると同時に他の被害者や子供たちを助けているレベッカ・マシカ・カチュバ氏を初の支援対象に選定して、毎月500ドル以上の活動費を送っている。

挺対協関係者は、「ハルモニの夢は平和だ。その意思がよく伝わるよう、必要なところに基金を送っていく」と話した。


追記: 木村幹神戸大学教授のツイート (2013.7.9)

木村幹教授がソウルの慰安婦博物館でインタビュー。「勿論、日本での議論も意識しての事です」、と博物館側。やはり、そういう事情もあったのか。しかし、そうした議論にすばやく対処できるのが挺対協の強みだろう。