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2014/09/19

朝日のスクープで国会の雰囲気一変? (92年)

国は関与を否定していたわけではなかったが

朝鮮人女性が国家総動員法に基づき「強制連行(徴用)」されたのではないかという社会党の本岡昭次議員の質問から始まった国会での一連のやり取りだったが、1992年になると議論が一変する。何があったのか。この年の1月、朝日新聞が「関与の証拠」が発見されたと報じて大混乱になっていた。二ヶ月後の清水澄子議員の質問は、「国の関与」をテーマに始まる。今度は外務省、防衛庁、警察、文部省などが労働省(総動員法業務を担当)に加わり答弁に立つ。議論は強制連行の有無から完全に国の各機関が慰安婦とどう関わっていたかに移っているが、それでも清水の頭には依然として慰安婦の強制連行(徴用)という先入観があるようで、「朝鮮での強制的に徴募」とか「なぜ朝鮮の女性が選ばれたのか」、その「法的根拠」明らかにするよう政府に迫っている。彼女が有名な詐話師吉田清治を参考人として国会に呼ぼうとしたことも分かる。清水が、朝鮮での募集の際に軍と警察が動員されたと言っているのは、吉田の本(私の戦争犯罪)や証言がネタ元と思われる。

私はきょう、朝鮮女性を強制的に駆り出す役割を果たした元山口県労務報国会動員部長だった方を、こちらでその実態をお聞きしたいと思って参考人として要請しましたけれども、それが実現しなかったことは非常に残念です。

国側は、軍が何らかの形で関与していたらしいとは認めるものの(これまでも、国は軍の関与は否定していなかった)、「従軍という名のもとで強制的に連れていかれたのか」については「実態よくわかりません」と答える。俗に言う「強制連行」を裏付ける確たる証拠がないからだ。そんな政府を、清水は吉田清治が「非常に具体的な体験を持っているっしゃる」と政府の調査が不十分だと批判している。今から考えてショッキングなのは、加藤紘一官房長官が事実関係がよく分かっていないにも関わらず「我々は、この間総理の訪韓によって謝罪の気持ちをあらわした」と告白している点だろうか。

まず、事実関係を誠心誠意調べていかなければならないと思っております。・・・我々は、この間総理の訪韓によって謝罪の気持ちをあらわしたわけでございますし、また当時の方々の筆舌に尽くしがたい辛苦というものを考えれば何らかの措置というものを考えられないか、そういう骨組みで考えていきたいと思っております。(加藤紘一

渡辺美智雄外相も、政治問題化している以上何らかの謝罪が必要という認識を示している。結果論だが、こういった甘さが命取りになった。

従軍という名のもとで強制的に連れていかれたのかどうか実態はよくわかりませんが・・・政治問題になっていることは事実ですから・・・実態をまずきちっとつかんだ上で・・・何かおわびのしるしというか、そういうことは何か考えなければなるまい

慰安婦問題が外交問題化すると「警告」したり「心配しております」などと清水が言うのを、今となっては苦々しい思いで読む人も多いのではないか。彼女が日本人慰安婦の存在にも触れながら、朝鮮人慰安婦だけを問題にしているのは、やはり「強制連行の有無」と見ていいだろう。

日本人の女性を慰安婦にしたことにも私は非常に大きな問題があると思っております。しかし、朝鮮の女性たちにはさらに植民地支配という、そういうやはり民族的な支配と差別があった

かなり長いやり取りを思い切って省略した。日本政府の補償に対する考え方、訴訟に対する考えなど色々な情報が含まれているが、ブログの性質上ここはあえて内容を絞ることにした。



○清水澄子君 私は、昨年(注:一昨年の間違いか)十二月の本予算委員会におきまして、従軍慰安婦問題について質問いたしました。その際に、政府がこの問題に誠実に対応しなければ、必ず日韓、日朝間の外交問題に発展するということを警告しておきました

その後、いろんな発展があったわけですけれども、現在、政府は調査をされておると思いますけれども、その進展状況と、今後の見通しについてお聞かせください。

○国務大臣(渡辺美智雄君) これは今、軍がある程度関与したということですね。はっきりしてきておりますが、どの程度のものであるか、地区によってもかなり違うような気がする。それに、従軍慰安婦になられた方々の中にも、千差万別のような状況があって、実態がわかっていない。したがって、今実態上では各省庁、できるだけの実態的な把握に一生懸命努めているというところであります。

○清水澄子君 六省庁ですから、じゃ一つずつおっしゃってください、どういう段階で何が出てきたかということを。

○政府委員(谷野作太郎君) それではまず、外務省の方からお答え申し上げます。

このいわゆる従軍慰安婦の問題につきましては、昨年末、内閣官房の調整のもとに、関係省庁におきまして事実関係を調査せよというお達しかございました。そこで、私ども外務省といたしましても、保管中の文書について、ただいま誠心誠意、大臣から申し上げましたように、調査を実施しておるところでございます。

何分、膨大な調査でございますので、いま少しお時間をいただきたいと思います。調査の結果が判明次第、内閣官房に御報告申し上げたいと存じます。

○政府委員(村田直昭君) お答えさせていただきます。

防衛庁におきましても、昨年末、内閣官房の方からの調査依頼に基づきまして、防衛研究所を初め陸上、海上、航空の各自衛隊あるいは防衛大学校等の各機関等において、関係資料の有無について鋭意調査をしているところでございます。

なお、これまでに新聞等で報道されたものを含めまして六十九件の資料が発見されておりまして、これらの資料につきましては、内閣官房の方に直ちに送付しておるという状況でございます。

○政府委員(多田宏君) 私どもの方も膨大な資料を念には念を入れて今さらに点検をいたしておりますので、まとまり次第、また内閣官房の方に提出したいと思っております。

○政府委員(井上幸彦君) お答えいたします。

私どもの方でも、昨年末に内閣の方針を受けまして、警察庁はもとより全国都道府県警察に対しまして、関連の資料があるやなしやの調査を現在行っているところであります。現在のところ、これはという情報には接到していないところでありますが、なお念を入れて調査を続けているところでございます。

○政府委員(野崎弘君) お答え申し上げます。

文部省におきましては、全国の公立図書館、国公立、私立大学の附属図書館に調査を依頼いたしました。現在も継続中でございますけれども、現在のところ、公立図書館関係で、沖縄県教育委員会から、同県の浦添市立図書館所蔵資料の中に当時の資料が転載されている旨の報告がございます。この件につきましては、内閣官房外政審議室の方に報告をしているところでございます。

以上でございます。

○政府委員(佐藤勝美君) 労働省の状況でございますが、現在までのところ、省内関係部局及び関係機関におきまして所管する倉庫、書庫等を調査いたしましたが、朝鮮半島出身のいわゆる従軍慰安婦に関します公的資料は発見されておりません。

当時の事情に詳しい行政関係者からもヒアリングを行いましたけれども、当該行政機関それから関係機関は、朝鮮半島出身のいわゆる従軍慰安婦については関与しなかったということを聞いておるところでございます。

[...]

○清水澄子君 次に、名簿についてですけれども、あの資料を見まして、あれほど明確に各部隊の支隊まで、末端にまで何人と名前も全部名簿がございます。そういうことになれば、非常に名簿というのがはっきりしていたのではないかと思うわけですが、朝鮮での強制的に徴募した際の名簿というものは残っているのでしょうか。

そしてもう一つは、慰安所の設置場所で憲兵隊がきちんと名簿を作成しているという報告が出てまいります。それは、性病を予防し管理するために非常に厳重な管理をしているために逆に名簿は明らかであったと思いますけれども、その点いかがですか。

○政府委員(村田直昭君) その全体の名簿がどのように管理されておったかということは、私どもが持っている防衛研究所の資料だけではわからないわけでございまして、それについてはさらにいろいろな方法で調べるということが必要じゃなかろうかと思いますけれども、私どもああいう報告書というか、昔の旧公文書等だけでなかなかわからないのではないか、事実私は承知しておりません。

[...]

○清水澄子君 [...]いろんな記録によりますと、慰安婦の大半は朝鮮の若い女性たちですけれども、なぜ朝鮮の女性が選ばれたのか、その理由を明らかにしていただきたいと思います。

○政府委員(有馬龍夫君) 構成の比率等は正確にわかっておりません

○清水澄子君 それでは、どこの国の女性が資料の中から出てきたか、国別に御報告ください。

○政府委員(村田直昭君) 資料に基づいて、この資料からそういうのが出てきたものとしましては、朝鮮の方、それから台湾の方、それから半島の方と書いてあるのもあるんですが、等でございます。

○清水澄子君 またごまかされます中国ともありましたし、フィリピンというのもあります。いろいろあるわけです。ですから、そういうお尋ねをしたときにはあくまでも資料に忠実にお答えいただきたいと思います。

次に、朝鮮で若い女性たちを強制的に集めた、その場合の募集方法というのを明らかにしてください。そして、そのときに日本軍、警察が多数動員されておりますけれども、それらを動員するための法的根拠は何であったのかお聞かせください。

○政府委員(有馬龍夫君) 募集の実態についての資料は見つかっておりません。それから、法的な根拠というものもわかっておりません。

○清水澄子君 私はきょう、朝鮮女性を強制的に駆り出す役割を果たした元山口県労務報国会動員部長だった方を、こちらでその実態をお聞きしたいと思って参考人として要請しましたけれども、それが実現しなかったことは非常に残念です。

私たちはみずからの過去の歴史というものについて、みんなが本当に謙虚に事実を認識するということが大事だと思うわけですが、これまで質問した中では、本当にこれが実態調査、鋭意調査をしているという中身であろうか。全体像はおぼろげにわかりましたけれども、今までの資料の中でも、私たち素人がやってももっと正確なある程度の全体像が出てまいります。そういうものを今後も徹底して調査をしていただきたい、これでは調査だと言えないと私は思うわけです。

そこで、私は官房長官にお尋ねしますけれども、今お答えいただきました事実から、従軍慰安婦というのはやはりかつてのいわゆる帝国政府及び軍当局が戦争を遂行するための手段として、日本軍の軍人、兵士に性的慰安、これは旧軍隊が使っている言葉ですけれども、そういう性的慰安を与えるために朝鮮の女性を駆り出したものと見られますが、政府はこの事実をお認めになりますね

○国務大臣(加藤紘一君) 政府が集めました資料につきましては、それが明確になったものから今先生のお手元にあるように公表いたしたりしておるわけでございますけれども、累次御答弁申し上げておりますように、いわゆる朝鮮半島出身の慰安婦の問題につきましては、かつての日本軍が何らかの形で関与していたということは確かなことのように思います。したがいまして、その旨政府としても従来からお答えいたしておりますし、またそういう認識を今も持っております。

[...]

○清水澄子君 外務大臣、私どもはいろいろ新聞等でお見受けしているわけですけれども、衆議院の方でもこの問題が論議されて、非常に前向きな発言をされていらっしゃるわけですけれども、補償の必要性は考えていらっしゃるでしょうか。そのしかるべき措置というのはどういう方法で、何らかの誠意を示さなきゃならないという点についてどういうふうにお考えになっていらっしゃいますでしょうか。

○国務大臣(渡辺美智雄君) 私は、この問題は法律論争を幾らやっておっても、これはもう平行線である、補償問題はこれは請求権は放棄、これは両国政府は取り合わない、したがって国際法上は決着済み、これが政府の基本的立場だろうと思います。

しかしながら、現実の政治問題として、そういうような慰安婦問題というのが新しく出てきて、それで非常な悲惨なことではあるが、戦争というものは常にそういうものがつきもので、殺された人もあれば、まことに残念なことだが、片手をとられたとか傷ついた人とかいろいろある。しかしながら、そういう方々には、軍人軍属の場合は相手国政府が何らかの措置をとってありますと。たまたま同じ従軍という名のもとで強制的に連れていかれたのかどうか実態よくわかりませんが、軍が関与をして、そういうような今いろいろお話があったようないきさつの中で慰安所というものがあった、従軍をしてきた人もいた。これもいろいろ本当に何といいますか、先ほど日本の吉原がどうとかこうとかという読み上げた中にもありましたが、当時は売春防止法もありませんから、そういうようなところから連れていかれた方とそうでない方があるいはあるのかもしらぬ。それらは実態を見なければよくわからないんです、実際のところが。

しかし、これは何か解決をしたければ、政治問題になっていることは事実ですから、事実は事実、しかし個々にやるといってもこれもまた非常に難しい問題だと私は思います。人を特定するということが非常に困難。じゃ三人とか五人とかという訴え出た人はそれはわかるかもしらぬけれども、それ以外の人は、訴えたい人はわからないからいいということにはなかなかこれはもう難しい問題だなと。だから何とか実態をまずきちっとつかんだ上で、何か慰安といいますか慰霊といいますか、何かおわびのしるしというか、そういうことは何か考えなければなるまい(ママ)という感じですかねという話を衆議院でしたんです。

[...]

○清水澄子君 [...]これまでの調査の仕方は非常に不十分だと思います。

それから、旧朝鮮総督府関係の資料とか旧内務省関係の資料、憲兵隊関係の資料などがまだ調査をされておりません。

そしてまた、きょう参考人としてお願いをした元山口県労務報国会動員部長の吉田清治さんなどは、本当に非常に具体的な体験を持っていらっしゃるわけです。それからまた、今名のり出ている元従軍慰安婦の方々からの事実関係というのは参考になります。その方々の話を聞きますと、まるで私どもは慰安婦という仕事だけかなと思っていましたけれども、お伺いしますと看護婦の仕事もさせられた、しかも赤十字の帽子をつけて、それをかぶらされて一カ月間いろんな訓練を受けて看護婦もやらされたという報告も聞いております。ですから、そういう実際に体験した方から事実関係のヒアリングを私は積極的に行っていく、そういう姿勢がなければ本当の実態は解明できないと思うわけです。

ですから、ぜひ今後の調査の中で、この従軍慰安婦や強制運(ママ)に関する政府所管資料をもっと全面的に調査され、体験者からもお話を聞かれて、そしてその資料を全面的に私は公開をしていただきたいと思いますし、またこの事実関係を徹底的に明らかにしていく、そういう真剣な取り組みに努力した上で、私は被害者の心に届くような謝罪とそして補償、救済措置を講じてほしいと思いますけれども、官房長官はその責任者ですが、その御決意いかがでございますか。

○国務大臣(加藤紘一君) 先ほど外務大臣から御答弁いただいたとおりでございます。

まず、事実関係を誠心誠意調べていかなければならないと思っております。そしてまた法的措置の問題、補償の問題は、総理大臣が申されましたように、これは法的には決着済みですが、しかしそれは訴権を害するものではありませんから、それの訴訟の成り行きを見ていかなければならない。しかし同時に我々は、この間総理の訪韓によって謝罪の気持ちをあらわしたわけでございますし、また当時の方々の筆舌に尽くしがたい辛苦というものを考えれば何らかの措置というものを考えられないか、そういう骨組みで考えていきたいと思っております。そのためにも当時の事情がどうであったのか、そしてそれにかわる何らかの措置というものをどう考えていったらいいのか、それについて真剣に検討していきたいと思っております。

[...]

次に、今ジュネーブで開かれております国連人権委員会で、NGOの国際教育開発協会の代表の方が、二月十七日にこの慰安婦問題を取り上げておりますし、それから二月二十五日には、韓国の女性団体が国連人権委員会にこの問題について申し立てをしております。また、今韓国内での従軍慰安婦の申告されている数が三月二日現在で百九十四人申告をされております。元慰安婦という方は六十八人、勤労挺身隊という方が八十六人、行方不明が四十人という、これは三月二日の数字ですけれども、こういうふうにまだ韓国の中でだんだん広がりが出てまいります

そこに加えて、今度台湾からやはり私は女性団体の訪問を受けたわけですが、そしてここに慰安婦の「慰」を入れ墨されたという女性にも会っているわけですけれども、そういう台湾、フィリピンの女性団体も今共同して国連人権委員会に提起をするという動きが出ているわけでございます。今や従軍慰安婦問題というのは、韓国、朝鮮との外交問題だけではなくなりつつある。世界は今、日本がさきの戦争で犯した、そしていまだに償おうとしない戦争と植民地支配の被害者、特に慰安婦にされた女性への深刻な生命と人権の侵害に対してみんなが注目をしております。

総理は、国際的な女性の人権問題に発展をしてきた従軍慰安婦問題をどう見ておられるのか、先ほどのお考えで私は国際的に通用しなくなるんじゃないか、このことを心配しておりますけれども、どうぞ御見解をお述べいただきたいと思います。

[..]

○清水澄子君 時間がなくて論争できませんけれども、日本人の女性を慰安婦にしたことにも私は非常に大きな問題があると思っております。しかし、朝鮮の女性たちにはさらに植民地支配という、そういうやはり民族的な支配と差別があったという、この問題は私たちはやっぱり反省しなきゃいけないと思うわけですね。それが、何か戦争一般論でこのお話をしていらっしゃるところに、私は、この問題の深刻な取り組みなり事態の受けとめ方がやっぱり弱いんじゃないかと非常に心配をしております。

[...]

2014/09/05

挺対協の前で日本政府を嘘吐きと呼んだ社会党(91年)日韓関係崩壊へ

慰安婦は国家総動員法で徴用されたと清水

さて、清水澄子議員二度目の登場。この時は、前年の11月に旗揚げした韓国挺身隊問題対策協議会(挺対協)の会長(ユン・ジョンオクか?)が来日して見守る中での国会質疑であった。ユン・ジョンオクらは、やはり前年の10月、海部総理宛の公開書簡の中で、90年6月6日の政府答弁を問題視、

清水傳雄氏は、「徴用の対象業務は国家総動員法に基づく総動員業務であり[...]従軍慰安婦の業務とは関係ない」[...]と述べております。[...]”天皇”直属の日本軍の要請で慰安婦用に「朝鮮人女子挺身隊」の動員を命ぜられ、済州島や下関の朝鮮人女性を徴用したという元労務報国会の動員責任者(吉田清治)の証言もあります。[...]また、上の証言や元慰安婦の話によれば[...]このような強制連行総動員業務として記されていなかったとすれば、それこそ日本軍がこの蛮行を隠蔽しようとした証拠ではないでしょうか。

海部俊樹総理宛の公開書簡 1990.10.17
と批判。「日本政府は朝鮮人女性たちを従軍慰安婦として強制連行した事実を認めること」などとする6つの要求を日本政府に突きつけていた(挺対協が設立される一月前)。

清水澄子は、前回(1990.12.18)の質疑で何度説明されても理解出来ず、「同じことをお答えして恐縮なんですけれども(国民勤労動員署関係は関与していなかった)」と答弁者をウンザリさせていたが、今回も出だしから「政府は、今でも、従軍慰安婦問題に国は関与していないという認識でいらっしゃいますか」と再び無限ループを開始(わざとやっていた可能性もある)。公開書簡に見えるように、ユン・ジョンオクらの方がまだ政府の説明を正確に理解していた。答弁者は辛抱強く清水に同じ説明を繰り返してやったが、今回も右の耳から左の耳へ抜けたようで、政府が「傲慢でうそつきだ」と逆ギレしている。「と申しますのは、国家総動員法に基づいて挺身隊(清水は慰安婦が挺身隊という名目で動員されたと信じている)というのは徴用を受けたわけです」、と清水。

それにしても、本文ではカットしたが、質疑の中で当時外務大臣であった中山太郎が韓国の外務省の次官の「今日ほど日韓関係が円満にいっていることはない」という言葉を紹介している。

来日中の韓国の外務次官と約四十分間会談をいたしましたが、政府間の関係は、韓国の外務省の次官のな(ママ)言葉をかりれば、今日ほど日韓関係が円満にいっていることはないという御意見でございました。

それが四半世紀経った現在、円満だった日韓関係は落ちる所まで落ちた。慰安婦問題だけが原因ではないが、教科書問題でも靖国問題でも、構図は慰安婦騒動と変わらなかった。「良心的」な日本人が韓国の反日勢力を焚きつけることを繰り返した結果が現在の状況だろう。つまり、清水らの社会党(や朝日新聞)的なものが、二十年で日韓関係を破壊したのである(それを彼らは、安倍総理のせいにしている)。



○清水澄子君 意見がありますが、ちょっと先へ行きます。

きょうは、韓国の挺身隊問題対策協議会の会長もそちらに来て傍聴をしております。この会は、昨年の六月、この予算委員会におきまして(の)、政府答弁が非常に納得できないということで三十五万人の韓国の女性たちの怒りの中で組織された会であります。

そして、私は今ここで御質問したいんですが、総理にお伺いします。政府は、今でも、従軍慰安婦問題に国は関与していないという認識でいらっしゃいますか。――いや、総理にお伺いいたします。

○政府委員(若林之矩君) ただいまの御質問は、通常国会におきます私の答弁との関係での御質問だと存じます。

私ども、従軍慰安婦の問題につきましては、労働本省でいろいろ調査をいたしましたけれども、資料等がございませんでした。さらに、当時の勤労局あるいは勤労動員署で働いていた人につきましてもいろいろと聞いてみましたけれども、こういった方々の話でございますと、全く従軍慰安婦問題というものにはこれらの機関は関与していなかったということでございまして、私ども、そういうことになりますと、全くこの状況を把握する手だてがないということでございまして、政府が関与していたか否かを含めて状況を把握できないということでございます。

○清水澄子君 まことに論弁というよりも、日本政府というのがこれほど傲慢でうそつきだということに今本当に私も心から怒りを覚えております。

と申しますのは、国家総動員法に基づいて挺身隊というのは徴用を受けたわけです。それと、今これだけ情報を持っている社会、前の体制と違うことは事実です。しかし、それは本当に誠意があれば調べる方法はいっぱいあります。私は今、時間がなくて持ってきませんでしたけれども、たくさんの手紙が来ています。自分は元軍人でこうしたという、本当にたくさんの資料を持ち出されて、日本政府がこういう答弁をしていることに自分たちも責任を感ずる、我慢できないという、そういう多くの日本の生存する実行行為者の皆さんからの資料さえ集まっているわけです。ですから、政府が本当にこれを集める気があればできると思います。

最近、ソウルで元慰安婦の方が、今おっしゃったような答弁にもう我慢ができないということで名のり出られました。そして今、秋にやはり法廷に出て日本の蛮行を証言したいと言っているわけです。そしてまた、韓国の女性団体からもこの問題を韓国の国会で取り上げるよう要求が始まりまして、秋の国会の議題になるということを聞いているわけです。

総理、日本政府の皆さん方の発言によって日韓の間の民間の友好ですら壊されていく、このことについて、これは大きな政治問題になる、外交問題になると思いますが、これは総理はどのように解決をされようとなさいますか、お答えいただきます。

○国務大臣(海部俊樹君) 日韓の問題につきましては、私自身も二度にわたる首脳会談で歴史の反省の上に立った認識を述べるとともに、未来志向型の日韓関係を築かなければならないということを盧泰愚大統領とも確認をし、また国会をお訪ねして与野党の指導者の皆さんともその問題については率直に話をしてきたところでありまして、厳しい反省に立った対応というものと、もう一つ、昨年五月二十五日の外相会談の際に、いわゆる朝鮮人徴用者等に関する名簿入手についての協力要請があったことは、これは労働省を中心に名簿調査を行っておるところでありますし、その結果、これまで九万人分の名簿を確認し、そのうち韓国政府への提出について保有者の了解が得られたものの写しを、本年三月五日、外務省が韓国側に提出したどころでありますが、政府は、こうした名簿の調査に専念したいと考えており、今後とも引き続いて労働省を中心として関係省庁が協力して誠意を持って対応してまいる所存でありますので、御理解をいただきたいと思います。

また、冒頭にお尋ねありました朝鮮人従軍慰安婦の問題については、先ほど関係省庁で調査の結果を申し上げたとおりでありまして、全く状況がつかめない状況であるということでありますので、私もそのような報告を受け、今後とも努力をあらゆる面で考えていかなければならぬと思いますが、実情についてはでき得る限りの調査をさかのぼってしてきたということでございます。御理解をいただきたいと思います。

○清水澄子君 納得できません。

アメリカやカナダは、日系人強制収容者の人権を回復するために四十年目からでも事実を調査する機関をつくって、そしてその実態を調査し、補償いたしました。私は、こうしたアメリカの民主主義を日本は見習うべきだと思います。

ですから、日本でもぜひそういう調査委員会を設置していただきたい、そして今、御理解くださいじゃなくて、徹底して調査をするということをお約束いただきたいと思います。総理、御答弁お願いします。

○国務大臣(海部俊樹君) 今申し上げましたように、既に関係省庁で協力をしながら、引き続き調査を続けてまいります。

○清水澄子君 改めて質問いたします。

ありがとうございました。(拍手)

○前畑幸子君 改めて調査するのではなく、日本に最も近い韓国、朝鮮のことを一番最初に考えて政治というものに取り組んでいただきたいと思います。


2014/08/28

政府重ねて強制連行を否定 (1991.4)

挺身隊と慰安婦は意図的か現在でも混同される
(VANKの国際広報動画

前年の6月6日に引き続き、本岡昭次が再度質問に立った1991年4月1日。朝鮮人女性(ここで議論になっているのは、あくまで朝鮮人女性である点に注意)が慰安婦として日本政府に強制連行(国家総動員法に基づく徴用)されたという噂は事実かという質問に、政府は前回同様、厚生省勤労局や国民勤労動員署(総動員法業務を担当)のOBに聞き取りまで行ったが、「強制連行」を裏付ける情報は得られなかったと回答した。

本岡は清水と違い政府の説明を曲解したという感じはないが・・

そこで本岡は、終戦後沖縄の米軍収容所にいた朝鮮人の名簿に女性名があることを指摘。これが慰安婦とされる為に女子挺身隊という名目で徴用された人々ではなかったかと、政府に事実確認を求めた。これに対して、政府は彼女たちが「徴用者等」に該当するか調査すると約束した。

本岡の次の台詞は、彼が同僚の清水澄子よりもよほど真面目に政府の説明を聞いていた事を物語っている。

「(政府は)民間業者がそうした慰安所に朝鮮人の方を連れていったということは聞いている(認識している)が、政府の責任で(連れていった)というふうなことはない、こうおっしゃってるんですが・・・」

本岡の言う通り、日本政府は政府が徴用したことはないと言っただけで、軍が慰安所に関与していないとか、民間人が無許可で慰安婦を連れ歩いていたなどと言っていたわけではなかった。しかし本岡は、

政府が関与軍がかかわって女子挺身隊という名前によって朝鮮の女性従軍慰安婦として強制的に南方の方に連行したことは、私は間違いない事実だというふうに思っています。その裏づけができないので、(政府は)今ああして逃げている」

と固く信じていたようである。なお、後に朝日新聞が「関与示す資料」が発見されたとして首相訪韓直前に報じ大騒ぎになった資料は、朝鮮人慰安婦とも国家総動員法とも無関係のものだった。朝日新聞は「政府見解揺らぐ」と報じたのだが・・・。

慰安婦問題ビッグバン(秦郁彦)を引き起こした朝日一面(92'1.11)
朝日新聞は、いろいろ言い訳をしているが・・・



○本岡昭次君 ・・・それでは次に、昨年六月六日の当委員会で質問しました強制連行の問題に入ります。その際に政府として調査を約束されたいろんな事項があるんですが、その後、調査の結果はどういうことになりましたか。

○政府委員(若林之矩君) お答え申し上げます。

労働省といたしましては、労働本省都道府県公共職業安定所につきまして、関係する部署、倉庫、図書館等、できる限り広範に調査をいたしました。また、全市区町村に対しまして調査依頼をいたしました。さらに、当時の事情に詳しい職業安定行政関係者からヒアリングを行いました。さらに、いわゆる朝鮮人徴用者等を受け入れていた可能性のあります事業所約八百につきまして照会をいたしました。そのほか、情報を把握した場合のその情報の調査というようなことも誠意を持ってできる限りの調査をいたしたところでございます。

その結果、昨年八月七日までに約八万人の名簿の存在を確認いたしまして、その目録を韓国政府に提出をいたしました。名簿の目録を韓国政府に提出しました後、各方面からの新たな名簿が存在するとの情報がございましたので、関係省庁が連携をいたしまして調査をいたしました結果、八月七日時点で未整理でございましたもの及びその後確認されましたものを含めまして、新たに約一万人分の名簿の存在を確認いたしました。

現時点までにいわゆる朝鮮人徴用者等に関する名簿約九万人の分を存在を確認いたしたわけでございまして、そのうち韓国政府への提出について、保有者の了解が得られましたものの写しを本年三月五日外務省を通じて韓国政府に提出したところでございます。

○本岡昭次君 今のは強制連行の実態だけでしょう。

○政府委員(若林之矩君) 昨年六月にお尋ねの件は、海軍作業愛国団南方派遣報国団というのがあるが、これはどういうことかというお尋ねでございました。これにつきましては、国立国会図書館の索引を引くなどして調査をいたしましたが、その手がかりを得ることはできませんでした。

それから、朝鮮人従軍慰安婦についての調査ということでございました。これにつきましては、私ども、当時の厚生省勤労局に勤務をしておりました者や国民勤労動員署に勤務をしておりました者から事情を聴取いたしたところでございますが、当時厚生省勤労局も国民勤労動員署も朝鮮人従軍慰安婦につきましては全く関与していなかったということでございました。

したがいまして、労働省といたしましては、ただいまの海軍作業愛国団、南方派遣報国団を含めまして、朝鮮人従軍慰安婦について調査を行うべく努力をいたしましたが、その経緯等全く状況はつかめず手がかりがない状態でございまして、御理解を賜りたいと存じます。

(以下特高月報の存在を巡るやり取りは省略)

○本岡昭次君 それでは、総理に伺いますが、昨年の十月十七日ソウルの日本大使館に、韓国教会女性連合会、韓国女性団体連合など三十九団体の代表が訪れ、従軍慰安婦問題に関する海部総理あての公開書簡を手交されているが、これをごらんになられましたか。

○国務大臣(海部俊樹君) 見ました。

○本岡昭次君 見てどう思われましたか。

○国務大臣(海部俊樹君) この問題にはいろいろなことが書いてございましたので、それらの問題について私は、どのようなことであったのか、できるだけ調べて内容を知りたいと思ったところであります。

○本岡昭次君 返事を出されますか。

○国務大臣(海部俊樹君) このことにつきましては、まだ今御返事を差し上げるような具体的な状況が把握されておりませんので、まだ差し上げておりません。

○本岡昭次君 海部総理に対する要請はどういう要請になっておりますか。六項目あると思いますが、それをひとつ読んでいただきたいと思います。

○政府委員(谷野作太郎君) 事実関係でございますので私から御答弁申し上げます。
お話しのように六項目ございますので、読み上げさせていただきます。

日本政府に対する要求ということでございまして、第一点は、日本政府は朝鮮人女性たちを従軍慰安婦として強制連行した事実を認めること。第二点は、そのことについて公式に謝罪すること。第三点は、蛮行、野蛮な行為でございますが、のすべてをみずから明らかにすること。第四点は、犠牲になった方々のために慰霊碑を建てること。第五点は、生存者や遺族の方々に補償をすること。そして最後に第六点として、このような過ちを再び繰り返さないためにも日本における歴史教育の中でこの事実を語り続けてほしいという六項目の要求でございます。

○本岡昭次君 今の六項目について、政府は早急に返事を行うべきだと私は思うんですが、どうですか。

○政府委員(谷野作太郎君) 本件書簡の主題でございます従軍慰安婦の件につきましては、先ほど労働省からお答えがございましたように、御調査になりましたけれども手がかりになる資料がなかったということでございます。したがいまして、そういう前提に立ちますと、なかなか具体的な、まして御満足のいただけるような御回答はできないわけでございますけれども、例えばその他の歴史教育等の問題も書いてございますので、確かにいただいた書簡につきまして御返事しないまま打ち過ぎるのもどうかと思いますので、とりあえずは、例えば私どものソウルの大使館から現状について先方の関係の団体に御説明するような措置はとりたいと思います。

○本岡昭次君 私も昨年従軍慰安婦問題を質問しました経緯もありまして、その後いろんな調査もしてまいりました。そこで、私の手元に沖縄送還朝鮮人名簿、約千六百名、実際は千五百八十四名の名簿が入手できました。これは沖縄米軍屋慶名収容所に収容された朝鮮人の名簿の写しであります。これはGHQの中から資料として日本に送り返されたものの中の一部であります。そして、連合国軍最高司令官総司令部記録の写しということであります。

ところが、この名簿の千五百八十四名の名前を一つ一つずっと丹念に調べておりますと、朝鮮女性というふうに明らかにわかるものが五十一名、それから朝鮮女性であると考えられる四十七名がこの中から発見されたのであります。これまで強制連行の名簿というのがいろいろ発見されましたが、女性が含まれているというようなことはほとんどないわけであります。

そこで、沖縄の捕虜収容所に朝鮮人の方が収容された、そこに従軍慰安婦がいたというふうな関係の書籍が幾つも出ているのでありまして、私はそうしたものを裏づける名簿ではないかというふうに思っております。そういう意味で、ここに書かれている女性は、従軍慰安婦、女子挺身隊ということで徴用された人たちが戦争の終わった後捕虜収容所ということで、非軍事員ということでここの名簿に登載され、そして韓国へ送り返された、こういう事態ではないか、このように思います。これの事実確認と、この調査結果を私は出していただきたいと思うんですが、いかがですか。

○政府委員(若林之矩君) お答え申し上げます。

ただいま先生御指摘の国立国会図書館のGHQの返還文書でございますが、マイクロフィッシュ三十万枚に及ぶという膨大な資料というふうに聞いております。その中に沖縄送還朝鮮人名簿というものがあるというお話でございまして、これは一千五百八十四名分の汽船乗船員名簿で、名前だけがずっと掲示されているというように聞いております。

この資料につきましては、保有者が国会の図書館でございますので、労働省といたしましては、いわゆる朝鮮人徴用者等に関する名簿に該当するかどうかにつきましての調査確認をお願いするように依頼をしたいと思っております。そして、私どもといたしましても、この御指摘の資料がいわゆる朝鮮人徴用者等に関する名簿に該当するかどうかにつきまして、国立国会図書館とよく連携をとりながら調査したいと考えております。

○本岡昭次君 韓国の方にもお願いしまして、これは共同で調査すれば事実がもっとはっきりするのではないかと思うんですが、いかがですか。

○政府委員(若林之矩君) 今回の徴用者等の名簿につきましては、韓国政府から私どもの方に協力の要請があったものでございますので、あくまでも私どもとしてできる限りのものをまとめまして先方に差し上げるということでございますから、私どもとして全力を挙げて調査をしたいというふうに考えております。

○本岡昭次君 今私が持っておりますこの千五百八十何名ですか、この名簿は今入手されておりますか。

○政府委員(若林之矩君) お話は伺っておりますけれども、まだ私ども入手をいたしておりません。国会図書館の方にお願いをいたしまして、今後そういったような確認の調査の御依頼をしたいと思っております。

○本岡昭次君 私が今渡しますから、国会図書館に依頼するんじゃなくて、日本の政府の手によってこれは明らかにしていただきたいと思いますが、やっていただけますか。

○政府委員(若林之矩君) もとより先生から資料をいただきますれば私どもとして調査いたしますが、しかしやはり国会図書館の保有しておられる資料でございまして、これまでも関係省庁等の保有しておられる資料につきましてはそれぞれのところで確認をいただきまして、私ども連携協力して調査確認を行うということにいたしておりますので、これにつきましてもそのような段取りを踏んでまいりたいというふうに考えております。

○本岡昭次君 従軍慰安婦の存在は、民間の業者がそうした慰安所に朝鮮人の方を連れていったということは聞いているが、政府の責任でというふうなことはない、こうおっしゃっているんですが、それでは女子挺身隊というものの存在はあったんですか。

○政府委員(若林之矩君) お答え申し上げます。

女子挺身隊でございますが、女子挺身勤労令というのが、国家総動員法に基づきまして昭和十九年の八月付で勅令第五百十九号によりまして定められております。これによりますと、挺身勤労を受けようとする者は地方長官に対して請求または申請をする。地方長官はこの請求または申請を受け、必要があると認めたときは、市町村長、団体の長、学校長に対し女子挺身隊員の選抜を命令する。地方長官は、命令を受けた市町村長等が選抜した者の中から隊員を決定し、挺身勤労令書を交付する等々の内容でございます。そして、勤労令書の交付を受けた隊員は挺身勤労により総動員業務を行うというふうにされております。

○本岡昭次君 その女子挺身隊に朝鮮人女子挺身隊というふうなものがありましたか

○政府委員(若林之矩君) 私ども、そのような名称は聞いておりません。

○本岡昭次君 今、韓国の梨花女子大学の教諭であります尹貞玉さんという方がこういう一文を残されております。現在生きておられますが。

一九四四年一二月、梨花女子専門学校一年の時、南北朝鮮半島全土の各地で、未婚の若い女性を手当り次第に挺身隊に狩り出す惨たらしい出来事が繰り広げられた。このことで、多くの学生が結婚を急ぎ、退学し始めると、慌てた学校当局は「学校が責任をもって言う。あなた方には絶対そのようなことはない」と公言した。

しかし、しばらく後、私たちは国民総動員令を応じるという書式に捺印しなければならなかった

私は父母の言葉に従い学校を退学し、挺身隊を免れたが、その頃、私と同世代の多くの女たちが、日帝によって狩り出されていったのだ。
こういう文書もあるんですが、本当になかったんですか

○政府委員(若林之矩君) お答え申し上げます。

私どもといたしましては、朝鮮人従軍慰安婦問題という御指摘でございましたので調査をいたしましたが、当時、厚生省の勤労局あるいは国民勤労動員署というのがございまして、こういうところが動員業務を担当していたわけでございますが、当時そこに勤務をしておりました者から事情を聴取いたしました結果、厚生省勤労局も国民勤労動員署も朝鮮人従軍慰安婦といった問題には全く関与していなかったということでございまして、私どもそれ以上の状況を把握できないということでございます。

○本岡昭次君 関与していなかったということと、その実態があったのかどうかというのは別問題なんですよ。私は女子挺身隊というものの実態は何であったのかということを改めて調査を要求します。

○政府委員(若林之矩君) ただいま申し上げましたように、繰り返しになって恐縮でございますけれども、当時の勤労局あるいは国民勤労動員署、こういうところが動員業務を行っておったわけでございまして、こういうところに勤務をしておりました者が全く朝鮮人従軍慰安婦問題については
関与していなかったということでございまして、このような関係の実態をそういうルートでなくて調べるということはできないというのが現状でございます。

私どもといたしましては、徴用の名簿につきましてはこれまでも誠意を持って取り組んでまいりまして、今後ともこの調査、確認に努力をしてまいりたいというふうに考えております。

○本岡昭次君 納得できませんね。

それでは、先ほどの千五百八十何名の名簿の中に女性がいる、その女性は沖縄で一体どういう仕事についていたんだとあなたは思いますか。

○政府委員(若林之矩君) 私ども、それがどういう実態であるかということはわかりませんが、先ほど申し上げましたように、それが徴用者の名簿に該当するかどうかという観点から、できる限り調査をしてみたいと思っております。

ただ、先ほど申し上げましたように、いずれにいたしましてもそれは名前だけがずっと並んでいるということのようでございまして、大変に難しい問題だというふうには認識いたしております。

○本岡昭次君 政府が関与し軍がかかわって、女子挺身隊という名前によって朝鮮の女性を従軍慰安婦として強制的に南方の方に連行したということは、私は間違いない事実だというふうに思います。その裏づけができないので、今ああして逃げているわけでありますけれども、やがてこの事実が明らかになったときにどうするかということを思うと、本当に背筋が寒くなる思いがするわけでございます。海部総理、これはあなたが総理として日韓関係を考えるときに、この問題をどういうふうに対応していったらいいと思われますか。

○国務大臣(海部俊樹君) 昨年の日韓首脳会談でこのテーマも出ましたし、また私自身の方から盧泰愚大統領に対しても、直接我が国の行為によって過去に犯した耐えがたい苦しみや痛みに対して率直に責任を感じ反省をしていますという過去の歴史に対する認識を申し述べ、過去のわだかまりを越えた日韓新時代をつくるためにそういう認識に立ってくたことを非常に評価をし感謝する、こういうことで盧泰愚大統領との間の話が決着をし、そのとき、たしか外相会談だったと思いますが、それに関する名簿等の提出を要求されましたので、政府としては誠意を持ってできる限りその調査をするということを決定し、それを行っておるところでございます。

(以下略)

2014/08/25

軍は関与していない事にしてしまった清水澄子議員 (1990年)

後に日本政府が国(軍)の関与を否定したと世界中に中傷して回られるネタ元になった6月6日(1990年)の政府答弁、本岡昭次議員の質疑を引き継いだのは、同僚の清水澄子であった。軍の関与を否定したと彼女らは言うが、議事録を読み返せば、社会党の議員たちが説明をまともに聞かず、政府の答弁を強引に曲げていく様子が分かる。清水澄子も、故意か頭が悪いのか、まるで話が噛み合わない。朝日新聞だけではない。社会党の議員たちも慰安婦問題を混乱させた主犯である。1990年12月18日の参議院外務委員会での質疑から。

清水澄子は議員引退後も相変わらず

前回、本岡議員の質問に対し政府は
総動員法に基づく業務としてはそういうこと(慰安婦の徴用)は行っていなかった」「民間の業者がそうした方々(慰安婦)を軍とともに連れて歩いているとか、そういうふうな状況のようでございまして・・・(労働省)として調査して結果を出すことは、率直に申しましてできかねる」
と答えていた。したがって、「従軍慰安婦は軍、国家と関係なく民間の業者が勝手に連れてきたものというふうな趣旨の回答をなされておりますけれども」という清水は、出だしからズレているのだが、この後さらに頓珍漢を繰り返す。

「厚生省関係ではやっていなかった」→「そういうことは聞いていません・・・国と軍は関係していなかったのか、いたのかということだけです」→「厚生省関係は関与していなかった、それ以上はちょっと調べられなかったということでございます」→「前の答弁がそのまま政府の見解として残っていると受けとめてよろしいですね」

違うだろ!

「国家も軍も関与していなかったという、それをそのままお認めになるわけですね」→「何度も同じことをお答えして恐縮なんですけれども、・・・厚生省関係それから国民勤労動員署関係は関与していなかった」

「何度も同じことをお答えして恐縮なんですけれども」・・・答える方も、内心呆れたろう。

清水澄子は2007年にこの時の事を振り返って、「一九九○年から、当時参議院議員だった私は『従軍慰安婦』問題で政府を追及してきました。しかし、政府の態度は『解決済み』、『資料が見当たらない』という不誠実なものでした」と書いている。自分の頓珍漢は棚に上げて。



○清水澄子君 [...]六月六日の参議院の予算委員会で同僚議員の本岡議員が朝鮮人の強制連行の調査に関連しまして従軍慰安婦の問題をただしたのに対しまして、労働省清水職業安定局長が政府答弁として、従軍慰安婦は軍、国家と関係なく民間の業者が勝手に連れてきたものというふうな趣旨の回答をなされておりますけれども、これは大臣お答えください。政府の認識にこのことは変わりありませんか。私はそこだけ確認させていただきたいわけです。

○説明員(戸刈利和君) お答え申し上げます。朝鮮人の従軍慰安婦問題につきましてですが、これにつきましてその後労働省でも調査をいたしてみたわけでございますけれども、実は労働省関係では資料が残されておりませんでした。それから、当時厚生省の勤労局でありますとか国民勤労動員署でありますとか、そういったところに勤務しておられた方から事情を伺ったわけでございますけれども、これも当時そういった役所関係では朝鮮人の方の従軍慰安婦については関与していなかったというふうなことでございまして、労働省として朝鮮人の方の従軍慰安婦についての経緯等全く状況がつかめなかったということでございます。ただ、先ほど申し上げましたように、厚生省関係ではやっていなかったということは……

○清水澄子君 

そういうことは聞いていません。私の質問にだけ答えてください。国と軍は関係していなかったのか、いたのかということだけです。いなかったというお答えでしたから、それをもう一度確認しておきたいんです。

○説明員(戸刈利和君) 

少なくとも私ども調べた範囲では、先ほど申し上げましたように、厚生省関係は関与していなかった、それ以上はちょっと調べられなかったということでございます。調べたけれどもわからなかったということでございます。

○清水澄子君 

それでは、前の答弁がそのまま政府の見解として残っていると受けとめてよろしいですね。大臣、よろしいですか、そういうふうにそのまま残っていると。

○国務大臣(中山太郎君) 

政府といたしましては、労働省の国会での答弁を尊重したいと思います。

○清水澄子君 

では、従軍慰安婦という、強制連行の中で女子挺身隊として強制連行された朝鮮の女性たちの問題は国家も軍も関与していなかったという、それをそのままお認めになるわけですね

○説明員(戸刈利和君) 

それにつきましては先ほど申し上げたとおりでございまして、当時私どもの局長がお答え申し上げた後の状況でございまして、何度も同じことをお答えして恐縮なんですけれども、私どもはそこまで調べ切れなかった、少なくとも厚生省関係それから国民勤労動員署関係は関与していなかったと。それ以上のことになりますとちょっと確認のしようもなかったということで、調査ができなかったということです。

[...]

○清水澄子君 

[...]二つ目ですけれども、もう御存じのように、軍人軍属あるいは強制連行されたまま生死の確認ができないという遺族や家族の皆さん方が、戸籍上死亡通告がないためにそのまま戸籍に残されたままで生死がわからないんだと、そのことをぜひ確認をしたいというふうなことで先日も太平洋戦争犠牲者遺族会の皆さんがおいでになりまして、そしてやはりこれも各省、労働省にも行ったと思いますけれども、労働省が持っている強制連行者名簿を遺族会にも公開してください、照会をしたいのだ、それから会員の生死を確認をさせてください、そしてまたそういう強制連行者の家族が調査を求めたときにはどこか政府の中で受け付けの窓口をつくってください、こういう要請が来ていると思うわけですけれども、これらについてどのように今後対処なさいますか。これはどこの責任でなさいますか。

2014/08/20

本岡質問へのプロローグ(社会党・竹村泰子)「強制連行とは、どういう人たちですか?」 90年5月

よく分からないまま「強制連行」という言葉を使った

前回、慰安婦問題が政治問題化する端緒となった本岡昭次の慰安婦の強制連行を巡る質疑(90年6月6日)を紹介した。竹村泰子(社会党)の参議院予算委員会での質疑(90年5月30日)はその先触れとなるものである。ついでだから、これも紹介しておこう。

彼女も基本的に「強制連行」という言葉を、日本政府が国家権力でもって(朝鮮半島から)人を動員することを意味すると認識していたらしい。だが、定かではないので、「強制連行というのは一体どういう人たちですか?」と質問している。そんな言葉は国語辞典にもないのだから、知らないと撥ねつければいいのに、役人は本岡の時と同様「徴用」という正当な日本語に言い換えて説明してやっている。彼女がここでした「従軍慰安婦についても調査なさいますね?」という質問が、翌月の本岡議員の質疑につながるのである。

「韓国側から日本側に対して、強制連行された人のリスト、朝鮮人のリストを示してもらいたいというお話がありました」という部分も、要注意だろう。高崎宗司によれば「反日感情」韓国・朝鮮人と日本人・・・?)、「強制連行」という言葉は韓国にはないということなので、韓国政府も「強制連行」という言葉は使っていないはずなのである。

○委員長(林田悠紀夫君) 

次に、竹村泰子君の余の一般質疑を行います。

この際、坂本官房長官から発言を求められておりますので、これを許します。坂本官房長官。

○国務大臣(坂本三十次君) 

日韓外相会談で韓国側から日本側に対して、強制連行された人のリスト、朝鮮人のリストを示してもらいたいというお話がありました。

太平洋戦争中に強制連行された朝鮮人リストについては、何分古い話のことでもありますが、当時の事実関係や法律関係について、現在内閣官房を中心にして関係省庁と共同して調査をいたしておりますので、もう少しお待ちください。

○ 竹村泰子君 

閣議で大変御検討いただきましたそうで大変うれしく思いますけれども、強制連行というのは日本政府が国家権力で連れてきた人を指すのですね。 昭和十七年から敗戦までぐらいだと思いますけれども、その前、昭和十四年ごろから自由募集というような形で連れてこられた人がいたということですけれども、いかがでしょうか。

○政府委員(有馬龍夫君) 

ただいま官房長官が仰せられましたように、当時の事実関係をまさに今調査しているところでございまして、その結果、今御指摘になられましたような問題についても、ある段階では適切なお答えができるかと思っております。

○ 竹村泰子君 

私がお聞きしたいのは、強制連行というのは一体どういう人たちですかという概念をお聞きしたかったんですけれども、今お答えできないというこ とですので、仮にこの人たちが個人で日本に賠償請求をしてきたらどうなさいますでしょうか。戦勝国アメリカでも日系人の強制収容に関する賠償法というのを 立てまして千九百五十億円賠償しておりますけれども、そのようなことをどういうふうにお考えになりますでしょうか、官房長官。

○政府委員(谷野作太郎君) 

お答え申し上げます。

この点は、先生御存じかと思いますが、徴用された韓国人に対する補償の問題は、確かに日韓国交正常化交渉において韓国側から対日請求の一つとして提起された経緯がございますけれども、いずれにいたしましても、昭和四十年に締結されました韓国との請求権及び経済協力協定によりまして、日韓間の問題としては既にそのとき決着済みというのが日本政府の立場でございます。

○竹村泰子君 きょうは国会図書館館長においでいただいておりますけれども、資料がございましたでしょうか。

○国立国会図書館長(指宿清秀君) お答えいたします。

私ども国立国会図書館に所蔵いたしております資料の中には、ただいまお尋ねのような関係の名簿等はございません

○竹村泰子君 韓国の太平洋(引注:戦争?)遺族会という方たちが九〇年の四月においでになっておりますが、このときに軍属、軍人の名簿はあったと厚生省は認めておられますけれども、公開は拒否しておられますね。このことを厚生大臣は御存じでしょうか。

○ 政府委員(末次彬君) 御指摘のとおり、軍人軍属につきましては全体の名簿の中にそういう方が入っているということでございます。これは一種の人事に関す る記録でございますから、名簿の提示をしてほしいというお話がございましたが、プライバシーに関することでもございまして、国内においても同様の取り扱い をいたしておりまして、その名簿の提示はできないというふうにお答えしております。

○竹村泰子君 中央協和会というのが戦中にございまし て、移入労務者の指導員講習などをやっております。これは厚生省と内務省と地方自治体で協力をしてやっているんですけれども、そういうことなど多くの、私 の調査によりますと、名簿がないとは言えない現状がございますが、いかがでしょうか。

○政府委員(有馬龍夫君) 繰り返して申しわけございませんけれども、今調べているところでございまして、御指摘の諸点については今この段階では明快にお答えすることができません。

○竹村泰子君 従軍慰安婦の調査もなさいますね、官房長官。

○政府委員(有馬龍夫君) 先ほど官房長官が仰せになられましたように、今内閣官房が中心となりまして関係しておられるところと協力しながら調べております。

○竹村泰子君 各大臣にお答えいただきたいんですが、時間がございませんので、十分誠意を尽くして調査をしていただきますことを官房長官お約束してください。

○国務大臣(坂本三十次君) きのう内閣官房で、関係各省庁に対してそういうリストがあったら出してもらいたいということで、今鋭意調査中であります。

○竹村泰子君 一九六五年の日韓条約は経済協力だけです。個人補償は別ではないでしょうか。また、北朝鮮に対しては全く放置されたままでよいというのはどういうことでしょうか。

敗戦後四十五年、余りにも遅い戦後処理ではないでしょうか。反省もざんげもなかったことがまさに今問われていると思います。韓国、朝鮮の人のみでなく、そ して従軍慰安婦も、日本の植民地支配に対するすべてのことを調査するという前向きの閣議決定を受けて、窓口をきちんとつくり、遅まきながら誠意を持って調 査をしていただきたいと強く要望して終わります。

○委員長(林田悠紀夫君) 以上で竹村泰子君の質疑は終了いたしました。(拍手)

2014/08/18

90年6月6日 日本政府が強制連行を否定した日

本岡が慰安婦の強制連行を国会で追求したことから政治問題化

1990年6月6日の参議院予算委員会。日本政府が「慰安婦は業者が勝手にやった、軍は関与していない」と言ったとされる。そして、これをキッカケにして慰安婦問題が政治問題化するのだが、本当だろうか?もう一度本岡昭次議員(社会党)の質疑を見返してみよう。もう一つ。日本政府がこの時から一貫して否定する慰安婦の強制連行。この時、「強制連行」という言葉がどういう文脈の中で持ち出されたのかも確認しておこう。前段は、朝鮮人強制連行の真相追及の場面。そして後段が慰安婦を巡るやり取り。

最初の部分で本岡が触れているのは、前月の竹村泰子議員(社会→民主)の質疑。これは次回紹介する。本岡の質疑に戻ると、彼は強制連行の記録が存在すると言っているが、恐らく特高月報には「強制連行」という言葉は使われていない(「強制連行」は戦後の俗語)。本岡が勝手に言い換えているのである。政府の担当者は、「徴用」という言葉で本岡の質問に答えている。本岡も、どういう法令に基づいて(強制連行が)行われたのか、と訊いているから、彼の頭にも強制連行=徴用のイメージがあるのだろう。

○本岡昭次君

・・・次に、強制連行の問題についてお伺いいたします。

竹村委員が前回質問をされたわけであります。その後作業経過がいろいろ新聞に出ておりますが、どういうふうな作業経過なのか、確認作業をやっておられるのか報告していただきたい。

○国務大臣(坂本三十次君)

いわゆる徴用者名簿の調査については、先週初めに内閣官房に労働外務厚生法務等の各省庁関係者を集めて、政府として鋭意調査することを確認いたしました。[...]今後は労働省が中心となって各方面とも連絡しつつ、できるだけの調査をさらに続けることとなったわけであります。[...]

○本岡昭次君

ここに一九八七年に発行された「鉱山と朝鮮人強制連行」という本があるんです。この本には兵庫県の鉱山における朝鮮人の強制連行の実態が記録されております。

戦前内務省警保局が作成した極秘資料「特高月報」というふうなものから導き出して、兵庫県でも、一九三九年から一九四三年までに一万六百八人兵庫県に 強制連行された、逃亡者は三千七百十七人であったとかいうようなことが出ているわけです。また、「兵庫県知事引継演述書」というようなものがありまして[...]それで、こうした強制連行というのは日本のいかなる法令によって行われたんですか。

○政府委員(清水傳雄君)

いわゆる朝鮮人の徴用につきましては、昭和十三年に制定をされました国家総動員法及びそれに基づきます国民徴用令、昭和二十年からは国民勤労動員令になっておりますけれども、これらに基づいて実施されたと承知をいたしております。[...]いろいろと諸手続はあったかと存じますけれども、基本的には以上のような法令に基づいているものと承知をしております。

○本岡昭次君  [...]そうした法令の定めるところによって日本に強制連行された人の人数、そして年次別に報告してください。

○政府委員(清水傳雄君)

当時の徴用関係の資料は労働省には保存をされておりませんものですから、現在まで鋭意調査をいたしておりますが、有権的に申し上げられるようなデータは残念ながら持ち合わせていない状況でございます。

○本岡昭次君

大変なことですね、法令によって強制連行しておきながら、何人だったかわからぬというのは。これ、どうにもならぬじゃないですか。[...] この強制連行の方式は、募集それから官あっせん一般徴用令軍による強制女子挺身隊勤労動員令徴兵制というふうなものがあるというふうになっておるんですが、このとおりですか。

○政府委員(清水傳雄君)

国民徴用令によりますと、第二条におきまして、「徴用ハ特別ノ事由アル場合ノ外職業紹介所ノ職業紹介其ノ他募集 ノ方法ニ依り所要ノ人員ヲ得ラレザル場合ニ限リ之ヲ行フモノトス」ということにされておりまして、これによれば、国民徴用令に基づきます徴用の前段階といたしまして、文書なり門前募集人などによる募集とか職業紹介所の紹介による官あっせんが行われ、それでも必要な労働者が集められない場合に徴用が行われたものと考えられます。

○本岡昭次君

そうしたものを実行に移すために朝鮮半島でどのような体制をつくったのか。また、日本本土ではどのような受け入れ体制をつくったんですか。

法令に基づいてと繰り返す本岡。「強制連行」の諸手続きを説明する役人。「国家総動員法及びそれに基づきます国民徴用令・・・基本的には以上のような法令」に基づき、企画院が計画し、厚生省が方針を決定、朝鮮の場合は、各総動員業務の所管大臣の要請を受けた朝鮮総督府が徴用令書を出す(この煩雑な工程を見ると、露見を恐れて軍は文書を作らなかったという話は疑わしい)というのが、この時議論になった「強制連行」である。決して「強制的な連行(拉致・誘拐)」を強制連行と言ったものではない。

○政府委員(清水傳雄君)

全体としての業務の流れといたしましては、まず当時の企画院が全体の長期計画をつくりまして、それに基づきまし て厚生省の勤労局需給調整の方策についての方針を決めまして、それからいわゆる国家総動員法に基づきます総動員業務なるものがあるわけでございますが、 そこに従事をするという形になる。

それを所管する所管大臣内地の場合には厚生大臣に請求をする。それから朝鮮の場合には朝鮮総督府に請求をする。朝鮮の場合ですと、朝鮮総督府におきまして、その下部機構がそれに基づきまして徴用令書を出しまして、それに行き先でございますとか職業でございますとか業務でありますとか、そうしたものが記載をされておったようでございます。[...]

○政府委員(清水傳雄君)

全体の業務の流れといたしましては、総動員業務を所管する官庁の方が厚生大臣に請求をする、そこでいろいろの計画を、企業の状況を把握して、そういうふうな形がとられたのだろうと思いますが、それから、徴用令になりましてから企業も勤労局の方に直接申請をすること ができるような規定にもなっております。

○本岡昭次君  募集というのは、企業が募集したんじゃないんですか

○政府委員(清水傳雄君)

先ほど申し上げましたように、徴用の前段階としての募集というものがまず行われておったようでございます。これは募集人とか、あるいは文書募集もございましょうし、そうした形で、直接的には企業の募集ということになろうかと思います。[...]

吉田清治の証言などにより
慰安婦強制連行(徴用)という都市伝説は広まりつつあった

そして、いよいよ慰安婦の話になる。男性の強制連行(徴用)は知られていたが、朝鮮半島で慰安婦が徴用されたという話は噂の域を出るものではなかった。労働省の役人は、「総動員法に基づく業務としてはそういうことは行っていなかった」と答えている。ここで労働省は、資料の不足をOBに聞き取りすることで補おうとしたらしい。「古い人の話等も総合して聞きますと、やはり民間の業者がそうした方々を軍とともに連れて歩いているとか、そういうふうな状況」で、労働省としては(!)これ以上調査のしようがないと答えた。これが後に、「業者がやったこと、国は関与していない」と答えたなどと揚げ足を取られる材料になるのだが(たとえば福島瑞穂)、読んで分かるように、本人はそんな意味で言ってはいない。

本岡は逆ギレして「強制連行とは、それでは一体何を言うんですか」「今国家総動員法というものの中で、それが範疇に入るとか 入らないとかと、こう言っておりますが、それでは範疇に入るものは、一体何人あったからそれはどうだとか言うんならわかるんですけれども、すべてやみの中に置いておいて、そういうものはわからぬということでは納得できない」と支離滅裂な事を言っているが、強制連行とか国語辞典にも載ってないジャーゴンを使った方が悪い。

○本岡昭次君

それから、強制連行の中に従軍慰安婦という形で連行されたという事実もあるんですが、そのとおりですか。

○政府委員(清水傳雄君)

先ほどお答え申し上げましたように、徴用の対象業務は国家総動員法に基づきます総動員業務でございまして、法律上各号列記をされております業務と今のお尋ねの従軍慰安婦の業務とはこれは関係がないように私どもとして考えられますし、また、古い人のお話をお聞きいた しましても、そうした総動員法に基づく業務としてはそういうことは行っていなかった、このように聞いております。

[...]従軍慰安婦なるものにつきまして、古い人の話等も総合して聞きますと、やはり民間の業者がそうした方々を軍とともに連れて歩いているとか、そういうふうな状況のようでございまして、こうした実態について私ども(引注:労働省)として調査して結果を出すことは、率直に申しましてできかねると思っております。

○本岡昭次君

強制連行とは、それでは一体何を言うんですか。あなた方の認識では、今国家総動員法というものの中で、それが範疇に入るとか 入らないとかと、こう言っておりますが、それでは範疇に入るものは、一体何人あったからそれはどうだとか言うんならわかるんですけれども、すべてやみの中に置いておいて、そういうものはわからぬということでは納得できないじゃないですか。

○政府委員(清水傳雄君)

強制連行、事実上の言葉の問題としてどういう意味内容であるかということは別問題といたしまして、私どもとして考えておりますのは国家権力によって動員をされる、そういうふうな状況のものを指すと思っています。

○本岡昭次君

そうすると、一九三九年から一九四一年までの間、企業が現地へ行って募集したのは強制連行とは言わぬのですか

○政府委員(清水傳雄君)

できる限りの実情の調査は努めたいと存じますけれども、ただ、先ほど申しました従軍慰安婦の関係につきましてのこの実情を明らかにするということは、私ども(引注:労働省)としてできかねるんじゃないかと、このように存じます。

引用はここまでにしようと思ったが、もう少し収録しておこう。「(韓国と)本当の意味の信頼関係なんというものはつくれない」と啖呵を切った本岡だが、このやり取りがキッカケとなり日韓関係が大きく壊れて行こうとは、この時知る由もなかったろう。

○本岡昭次君

どこまで責任を持ってやろうとしているのか、全然わからへん、わからへんでね、これだけ重大な問題を。だめだ。やる気があるのか。ちょっとこれ責任を持って答弁させてくださいよ、大臣の方で。[...]今のような労働省の役人の方が来られてぼそぼそぼそぼそやっているこの姿ね、本当に恥ずかしいと思いませんか。

それは盧泰愚大統領海部総理大臣が、戦後の問題は終わった、過去はこれでと言ったって、やっぱり戦後処理の中の最大の問題が私も調べれば調べるほどここにあると。本当の信頼関係を樹立しようと思えば、やはりこの強制連行に始まったさまざまな朝鮮の植民地政策の具体的な中身は何であったのかということを 我々自身の手で明らかにすることを怠ったんでは、本当の意味の信頼関係なんというものはつくれない、こう思うんですよ。

(以下略)