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2016/05/15

像撤去は10億円の後、萩生田官房副長官の半歩後退



慰安婦像の撤去について、時期を約束したわけではないと萩生田官房副長官。彼はこの4月、財団の設立式の日に像がそのままになっているのは見たくないとも言っていたから半歩後退というところだが、今の状況なら止むを得まい。

合意文書に像の撤去は明記されていない。その事を心配する向きも多いが、適切に処理すると約束している以上、韓国政府が何もしないわけにはいかない(萩生田官房副長官は像の撤去はパッケージの一部という言い方をしていた)。今のところパク政権は合意の履行に真面目に取り組んでいる様子なので、日本政府はさっさと10億を渡して、あとは高見の見物を決め込めばいい。

慰安婦像の撤去については、武藤前駐韓大使が合意履行の入り口でなく出口にすべきだと言っている。ネチズンには不評だが、彼の言うことが正しいと思う。

少女像移転「韓国政府の努力に期待」 萩生田官房副長官

■萩生田光一・官房副長官

(日本政府が求めているソウルの日本大使館前の「少女像」の移転について)時期については、特別、前提条件として約束をしたわけではない。しかし、昨年暮れに岸田文雄外相と韓国の尹炳世(ユンビョンセ)外相との共同記者会見で発表したのは、まさに未来志向で日韓関係を進めていこうということ。

そのための完全かつ不可逆的解決ということだから、全てを引きずらずに前に進んでいこうという中には、日本政府として懸念を申し上げていた少女像に対しては、韓国政府として適切に解決をされる努力をして頂けるものだと期待している。(13日、記者会見で)

朝日 2016.5.13



参考: 武藤正敏・前駐韓大使「まず10億円を供出すべき。慰安婦像撤去はその後求めればよい」 産経 2016.5.5

--慰安婦像の撤去ではなく、移転でも難しいか

「世論調査をみると、慰安婦像の撤去については、韓国人の7割以上が反対している。韓国政府にとって、合意の受け入れと慰安婦像撤去という二正面作戦での説得となると難しくなる。慰安婦像の撤去は入り口では難しい。遺憾ではあるが、出口にせざるを得ない。つまり、慰安婦問題が解決したとき、『問題が片付いたのに日本大使館前に置いておくのはおかしい』という雰囲気に韓国全体がなれば、韓国政府も撤去しやすくなる」

--自民党内では、慰安婦像が撤去されない限り、10億円を拠出すべきでないという意見も出ているが…

「そういった発言は、慰安婦像の価値を高めているとしか思えない。慰安婦像などあまり騒ぎたてなければ、人々の関心は薄れていく。関心のなくなったものは、問題解決したときにも撤去しやすくなる。日本が慰安婦像に敏感に反応していると、問題が解決しても慰安婦像を置くべきだと話になってしまう。日本は慰安婦像ごときで騒ぎ立てないほうがいい」

--どうすれば日本の国益に利するか

「もし慰安婦像のために日本が10億円を供出しなければ、恐らく合意はつぶれる。そうなれば挺対協の人たちは喜ぶだろう。自分たちがこの合意をつぶしたと批判されなくてすむからだ。そうなれば挺対協は、全世界のあちことに慰安婦像をつくってまわるだろう。日本は感情的に反発してはいけない。それをやることで日本はどれだけ損をしてきたか」

産経(一部) 2016.5.5

2015/09/05

武藤前特命全権大使 「挺対協に武器を与え続けてきた朝日の罪は重い」


武藤正敏著『日韓対立の真相』。在韓国特命全権大使を務めた人物だけに、温和な人物である。読んでいて歯痒く感じてしまう部分も多いのだが、朝日新聞と挺対協に関してはかなり厳しい。

朝日新聞が第三者委員会に過去の慰安婦報道の検証を依頼したのは昨年。報告書は12月に公表された。この中で委員の一人は、外国の新聞を分析して朝日新聞の慰安婦報道は国際社会に対してあまり影響しなかったと結論づけた(報告書 p.82)。ただし、そう結論づけた委員(林香里)自身、調査の限界も指摘しており、影響は無かったという結論に釈然としない人も多かったろう。

武藤は、外国メディアが朝日新聞を直接引用したか否かではない、韓国の慰安婦支援団体を通じて、朝日新聞は間接的に外国メディアに誤解を広めたと見ている。

韓国でもっとも過激な物言いをしているのは、もはやご承知のとおり、挺対協です。(外国の)報道機関がどれだけ朝日新聞を引用しているかも重要ですが、それ以上に肝心なことは、彼ら(挺対協)の主張の根拠を朝日新聞が提供してきたということです。・・・海外における慰安婦問題の認識は挺対協の影響を大きく受けているのですから、その罪は非常に重いと言えるでしょう。

韓国民は挺対協によってマインドコントロールされており、挺対協は「一部であったかもしれない状況を誇張し」それを一般化することで現在の慰安婦のイメージを作り上げた、日韓が首脳会談を行えないのも挺対協が原因だと武藤前大使は分析する。

嫌韓の始まりを作ったのも朝日新聞?
92年1月11日の一面 首相訪韓のタイミングにぶつけたと言われている。

武藤はまた、嫌韓の始まりも朝日新聞の例の1992年1月11日の記事が原因だったと考えている。当時武藤は、外務省のアジア局で韓国を担当していた。「浴衣がけで来てほしい」と招かれていた宮沢首相の訪韓は朝日の報道で青天の霹靂となり、韓国側の態度は日本の親韓議員すら憤慨させた(朝日新聞は、この記事を宮沢首相の訪韓のタイミングに意図的にぶつけたと言われている)。「日本人の嫌韓感情の始まりだった」・・・そして現在の最悪の日韓関係に至る。朝日新聞の罪は重い。

この「慰安婦報道」の国際的な影響については、第三者委員会でも分析しています。林香里委員(東京大学大学院情報学環教授)は、「国際社会に対する朝日新聞による慰安婦報道の影響」について定量分析を行ない、「欧宋の報道機関の朝日新聞からの引用数は三十一本にすぎなかった」とし、「韓国における吉田氏への吉田氏への言及もわずか六十八本だった」と述べています。

他の委員やインタビューに応じた海外の有識者らにしても、日本軍が直接、集団的、暴力的、計画的に多くの女性を拉致し、暴行を加え、強制的に従軍慰安婦にしたとのイメージが相当定着しているとしたうえで、「朝日新聞がそういうイメージの形成に大きな影響を及ぼした決定的な証拠はない」としています。

しかし一方で、「韓国側の慰安婦問題に関する過激な言説を、朝日新聞その他、日本のメディアはいわばエンドース(裏書)してきた。それは韓国における過激な批判に弾みをつけ、さらに過激化させた」と、同委員会は指摘しています。

韓国でもっとも過激な物言いをしているのは、もはやご承知のとおり、挺対協です。報道機関がどれだけ朝日新聞を引用しているかも重要ですが、それ以上に肝心なことは、彼らの主張の根拠を朝日新聞が提供してきたということです。

韓国のマスコミや有識者はよく「良心的日本人」の意見を紹介します。彼らのなかには「竹島は韓国の領土だ」とすら言う人がいて、韓国では英雄として扱われています。同様に、日本で「もっとも信頼度が高い」とされてきた朝日新聞か、慰安婦問題について日本を貶めるイメージを報道すればどうなるでしょうか。

また、海外のメディアが引用する回数が少ないといっても、外国で慰安婦像を次々に設置して報道を焚きつけている挺対協に、朝日新聞は「武器」を与え続けてきたのです。海外における慰安婦問題の認識は挺対協の影響を大きく受けているのですから、その罪は非常に重いと言えるでしょう。

朝日新聞がミスリードした罪

韓国の人々は挺対協によってマインドコントロールされており、その主張が通説となっています。彼らは一部であったかもしれない状況を誇張し、それを一般化して流布することで現在のイメージを形成しているのです。しかし、韓国政府も有識者たちも、それがおかしいとは言えない。といって、日本側が否定しても取り合おうとはしません。

この団体は、日本への悪印象を韓国社会に定着させ、彼らが主張する人道的な不法行為に対して法的責任を認めさせ、謝罪と賠償が実現するまで日韓関係を改善するべきではないと言い張っています。朴大統領が「日本政府が誠意を示すまでは首脳会談は行なわない」と頑なな姿勢を崩さないのも、挺対協の主張に振り回されているからです。朝日新聞の報道は、その流れをつくった大きな要素だったと言えるでしょう。

とくに日韓関係を転換させる重要なエポックとなったのが、。一九九二年一月十一日の記事です。宮沢総理の韓国訪問直前のこの日、朝日新聞は第一面で「慰安所の運営にあたり、軍の関与を示す新資料を発見した」と報じたのです。

同時に解説や社説を通して「朝鮮人女性を挺身隊の名で強制連行した」「その数は八万とも二十万とも言われる」と伝えられました。これこそ、のちの挺身隊の主張そのものです。

このような記事が掲載されたことで、蘆泰愚大統領の追及が厳しくなり、宮沢総理は謝罪するとともに、調査を約束せざるをえない状況となりました。当初、「浴衣がけで来てほしい」との招待を受けていた総理でしたが、訪韓したら様相はがらりと変わっていました。もちろん、朝日報道だけが原因ではなかったのでしょうが、大きな影響を与えたことは間違いないと考えます。

そして、私はこのときの総理訪韓における韓国側の対応が日本人の嫌韓感情の始まりだったと見ています。当時、私はアジア局で韓国担当の課長を務めていたのですが、帰国後、多くの国会議員の方々から「韓国は実にけしからん。この状況をなぜ防げなかったのだ」と、大変厳しいお叱りをいただきました。とくに、それまで日韓関係のために努力をしてこられた議員からの声が大きかったと記憶しています。

朝日新聞の報道がどれほど日韓関係に悪影響を及ぼしたのか、当事者である朝日のみなさんがどの程度わかっていたのかは知る由もありません。しかし、私が先輩に教わってきたように、外務省の人間がマスコミをミスリードすることは絶対避けるべきであるのと同様、マスコミも世論をミスリードすることは許されないはずです。

「吉田証言」に誤りがあると判断した時点、あるいは疑わしいと考えた時点で訂正するべきだったのではないでしょうか。それを放っておいたために現在の難局を招いた朝日新聞の責任は甚大だと言わざるをえません。



2015/03/11

武藤正敏元駐韓大使のインタビュー(韓国日報)


昨年韓国日報が掲載した武藤正敏元駐韓大使のインタビュー。ちょっと説明が足りないと思わないでもない部分もあるが、アジア女性基金の不当評価と挺対協らの妨害工作をやんわりと指摘している。こうした日本側の言い分を韓国メディアが報じてくれるようになったのは、時代の変化だろうか?

-韓日葛藤の争点の一つは慰安婦問題だ。 どんな解決法を模索して行けば良いだろうか。

「最近強制性を巡る論議が続いているが、お婆さんが本人の意に反して慰安婦になった事例が多いことは事実だ。 私も韓国勤務当時若い娘が慰安婦に連れて行かれたくない為に結婚したという話を聞いたことがある。 このために多くの韓国人は日本人が強制的に慰安婦を引っ張っていったと考えている(引用者: 「誤解している」というニュアンスか?)。 にも関わらず、日本が慰安婦問題に誠意を見られないと、日本を信頼しない韓国人が増えている。

だが、日本は誠意を見せるためにアジア女性基金を運営したことがあった。 市民団体と政府が集めた補償金と日本総理名義の謝罪手紙が主な内容で、始めは韓国内でも良い反応を得たが、一部市民団体の反対でまともに評価されることが叶わなかった。

慰安婦問題で最も重要なのはおばあさんを理解してやることだと思う。 お婆さんが補償金を受けたいなら止めるべきでなかったという物足りなさが残る。 フィリピンでもアジア女性基金を囲んだ論議があったがお婆さんが補償金受けるのに反対した団体はなかった。 今でも韓国社会で基金を再評価する必要がある。 基金復活は難しいが、当時日本が最低限の誠意を見せたという点を評価する雰囲気が醸成されればいいと思う」。

韓国日報(一部) 2014.12.29[2]

-한일 갈등의 쟁점 중 하나는 위안부 문제다. 어떤 해법을 모색해가면 좋을까.

“최근 강제성을 둘러싼 논란이 지속되고 있지만 할머니들이 본인의 의사에 반해 위안부가 된 사례가 많은 것은 사실이다. 나도 한국 근무 당시 젊은 처녀가 위안부에 끌려 가기 싫어 결혼했다는 이야기를 들은 적이 있다. 이 때문에 많은 한국인은 일본인이 강제적으로 위안부를 끌고 갔다고 생각한다. 그런데도 일본이 위안부 문제에 성의를 보이지 않는다며 일본을 신뢰하지 않는 한국인이 늘고 있다.

하지만 일본은 성의를 보이기 위해 아시아여성기금을 운영한 적이 있었다. 시민단체와 정부가 모금한 보상금과 일본 총리 명의의 사죄편지가 주 내용으로, 초창기에는 한국 내에서도 좋은 반응을 얻었지만 일부 시민단체들의 반대로 제대로 평가 받지 못했다.

위안부 문제에서 가장 중요한 것은 할머니들을 이해해주는 것이라고 본다. 할머니들이 보상금을 받고 싶어 한다면 말리지 말았어야 했다는 아쉬움이 남는다. 필리핀에서도 아시아여성기금을 둘러싼 논란이 있었지만 할머니들이 보상금 받는 데 반대한 단체는 없었다. 지금이라도 한국사회에서 기금을 재평가할 필요가 있다. 기금 부활은 어렵겠지만 당시에 일본이 최소한의 성의를 보였다는 점을 평가해주는 분위기가 조성됐으면 좋겠다.”