ナヌムの家で研究員として働いている村山一兵。研究者というより広報官といった感じか?それにしても、昨年この人の話を聞きに行った時は、こんな無茶な話はしていなかった。二年の間に多少は学んだか。
韓国にいて慰安婦について学ぶことは難しい。 韓国では客観的な情報がなかなか入って来ないからだ。
これは二年前のインタビュー。
韓日の架け橋としてさらに積極的に取り組みたい思いから、慰安婦の被害者に関する漫画を日本語に翻訳したこともあった。
その漫画は漫画家クォン・テソンさんが韓国挺身隊問題対策協議会とナヌムの家から得た資料と証言を元に描いた『もう一度生まれたら、花に』。彼はこれを翻訳してインターネットに載せると、『戦争と性-韓国で「慰安婦」と向き合う』というに収録された。・・・彼の努力で日本で最初に知られ始めたこの漫画の韓国語版は今月出版され、英訳本(Born Again as a Flower)も出版された。
彼は翻訳本を「ネイバージャパン」と「ヤフージャパン」のサイトに載せた。掲載から3日ほど過ぎると右翼たちによる悪質な書き込みでいっぱいになった。
「『慰安婦は存在しなかった』という書き込みが多いですね。れっきとした証拠が日本軍の資料にも残っているのにですよ。でもそれより重要なことは日本の普通の人々の考えです。右翼らの考えは柔軟性も何もないが、普通の人々はこの問題に対して知らない人が多いんです。
そんな中、右翼たちは有名な漫画家に高額を支払って自分たちの主張を込めた漫画を描かせています。慰安婦を悪いキャラクターに設定して描くんですよ。そんな背景があるから『もう一度生まれたら、花に』の翻訳に打ち込みました」
下にあるのが、彼が日本語訳した「もう一度生まれたら、花に」。史実に忠実かというと、かなり疑わしい。翻訳していてそれに気付けない村山は、当然なぜ日本人が反発するのかも理解できない。
彼が右翼の書き込みと思っているものの大部分は、実は普通のネチズンのものだ。韓国で竹島を日本の領土だと言えば非難が殺到する。その程度の話で、とくに右翼というほどの連中ではないはずだ。
「考えに柔軟性がない」のはお互い様。