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2016/07/01

韓国による蒸し返しは、漁業協定破棄通告に対する報復か(辺真一)


慰安婦問題を韓国政府は外交問題化させるつもりはなかった。ところが、98年に日本政府から日韓漁業協定の破棄を通告されると、これに対する外交上の駆け引きとして慰安婦問題の蒸し返しが決定された、この時同時に始まったのが韓国政府による日本の国連常任理事国入り反対キャンペーンではないか、と辺真一は分析している。日本の良識派が言うように、日本側の妄言が問題を蒸し返したといったものではなく、もっと現実的な理由から慰安婦問題は蒸し返されたようだ。韓国側によって。

今流行りの人権問題という建前でのまぜっ返しも、とうの昔に韓国政府が試みていた。キム・デジュン大統領が慰安婦問題を人権問題と強調した事を利用して、「人権問題の次元から日本の責任と直接的な賠償を促」せるのではないかと、韓国政府は考えた。皮肉なことに、田原総一朗によれば当のキム・デジュンはこの問題を決着させた積りだったようなのだが・・・。

そういえば、今年こんなニュースもあった。昨年の日韓合意を踏まえてだろう、韓国大使館からアメリカの連邦議員たちに、慰安婦関連の動きを停止してくれるよう要請が行われた。梯子を外された族議員は、「これまで強調してきた普遍的人権の話はどうなるのか」と困惑を隠しきれなかった。

慰安婦問題は対日対抗措置の一つだった!?

(略)日本政府が1998年1月23日に日韓漁業協定の破棄を通告した際に韓国政府は報復措置として▲漁業自主規制協定の破棄▲日本政府が外国漁船の入漁を阻止している北方領土周辺での操業▲日本の水産資源保護に決定的な打撃を与える漁獲方法を取る構えをみせていた。実際に日本が日韓漁業協定の破棄を通告した翌日から操業自主規制区域であった北海道沖、襟裳岬沖で韓国漁船(8隻)の操業を許可していた。

また、外交的報復措置も検討され、韓国国会では日本の国連安保理事国加盟に反対し、従軍慰安婦問題の解決を国家として日本政府に要求することなどが議論されていた

日本の国連安保理常任理事国への加盟問題について韓国政府はそれまでは沈黙を守っていた。また、従軍慰安婦問題については国家レベルでは補償を求めないとの立場を取っていた。しかし、日本政府が日韓漁業協定の破棄を通告するや日本の国連安保理事国加盟に反対の立場を明らかにするだけでなく、阻止運動を展開し、かつ慰安婦問題でも日本政府が法的に責任を負うべきとする政府見解の表明も検討していた。

当時から日本は慰安婦問題では1965年に締結された日韓条約により国家レベルでは解決しているとの立場を取っていたが、柳宗夏外相(当時)は破棄通告から3日後の1月26日、国会統一外務委員会で「1965年の韓日請求権締結協定当時は従軍慰安婦問題の不法性が論議されなかった」と述べ、「日本政府が今になって慰安婦問題で賠償責任がないと主張するのは道理に合わない」と日本政府を批判していた。

実際にこの年、韓国通商外交部は「金大中大統領が最近、日本人との会談で慰安婦問題は過去を清算する問題ではなく、人権問題であることを強調しているので、政府は人権問題の次元から日本の責任と直接的な賠償を促す方案を検討している」としてスイスのジュネーブで開かれた第54次国連人権委員会で従軍慰安婦に対する徹底した真相究明と被害者に対する日本政府の直接補償を促すよう動いていた。

当時、日韓漁業協定が破棄されれば、1,600隻の韓国の漁船が日本の排他的経済水域から締め出され、その損失額は3千億ウォン(約300億円)を超すとされていた。(以下略)

辺真一 YAHOO!ニュース(全文) 2016.6.30

2012/10/14

高村元外相 「慰安婦の強制連行はあった」

と、刺激的なタイトルをつけてみたが、釣りではない。高村元外相のこの発言はマズいだろう。


何度も言っているが、「強制連行」という言葉は可能な限り避けるべきである。特に政治家は。一時期かなり大衆化したが、この言葉は左翼用語であって、殆どの国語辞典には載っていない。

百科事典には載っているものもあるが(平凡社)、「朝鮮人強制連行」としてのみ記載されているもの(小学館)、まったく記載のないものもある。

歴史問題を左翼言葉で語るのは、大人がヤンキー言葉で中学生と対話するようなものである。90年代の国会のやり取りや日本政府と韓国政府の交渉を見ると、この言葉のせいで度々混乱が生じていたのが分かる。

百科事典類の解説を総合すると、強制連行とは、法律などに基づき政府が動員計画を立て(主に朝鮮人)労働者を徴用したことを言うらしい。基本は国家総動員法・国民徴用令である。徴用・徴兵をイメージすればいいのではないか?

しかし徴用や徴兵なら日本人もそうかというと、これが違うのである。なぜ違うかというと、この言葉が左翼用語だからである(分かったような、分からないような?)。要するに日本人は加害民族だから、強制連行被害者たる資格がないという理屈なのだろう。たぶん。

当初の議論は、慰安婦支援者らが主張していたように、日本政府が朝鮮人女性を女子挺身隊として慰安婦に動員したか否かであった。国会でこの問題を騒ぎ立てたのが社会党だったから、彼らは文脈に無理があっても「強制連行」という言葉を使い続け、話を混乱させたのである。

イ・ヨンフン教授も当時の関係者(韓国人)に聞き取りをして「一般行政のルートを通じて、女性たちが募集されたり動員されることはなかった」という答えを引き出したように、使っている方は、明確なイメージを持って強制連行という言葉を使っていたはずである。にも関わらず、「強制連行とは、強制的に連行すること」などと屁理屈をこねて更に議論を混乱させたのが、例の学者である。

だから、この言葉を使うことは彼らの土俵に乗ることであるのに、高村が依然としてこの調子なのには呆れる。

「韓国では軍が強制連行した事実はない」・・・強制連行したとすれば政府である。高村はどうやら強制連行=「強制的に連行」という意味で使っているらしい。もう半分相手の土俵に乗ってしまっている。

「韓国以外ではあった」・・・高村は強制連行を認めてしまった!河野談話ですら強制連行があったとは言っていないのに。これは「反論」ではない。墓穴を掘っただけだ。

慰安婦、韓国に反論=自民副総裁

自民党の高村正彦副総裁は10日夜、都内で講演し、旧日本軍による従軍慰安婦問題について「韓国で日本の軍が直接的強制連行をした事実はない。韓国以外ではあったが、日本軍による軍法会議で裁かれた」と述べ、強制連行があったとする韓国側の主張に反論した。

また、自身が外相を務めていた1998年に日韓共同宣言をまとめた際、金大中大統領(当時)から「一度謝れば韓国は二度と従軍慰安婦のことは言わない」と説得され、「痛切な反省と心からのおわび」を明記したことを紹介。「国と国の関係で一度決着したものを蒸し返してはいけないし、蒸し返させてはいけない」と強調した。(時事) 

2011/12/28

田原総一朗 「金大中時代に決着」



田原総一朗はかなり早くから慰安婦問題には関わっていたので、この騒動については十分に知識があるはずだ。よって彼は、冷静にも「大統領は、慰安婦問題の解決について日本に期待していない」と見ている。今回の騒ぎは韓国の国内事情によるものであると彼は言い切る(各紙もそう見ていたようだが)。

ただし彼は政治家や民間人を問わず昨今かまびしい「日韓基本条約で解決済み」論には与しない。朝日新聞が最後の拠り所に選んだように、交渉の場で持ち出されたわけではない慰安婦問題は日韓基本条約の対象外という主張にも一理ありそうだ。

自分も、もしも日本人慰安婦が補償の対象になるなら、韓国人を含む外国人の慰安婦に対しても何らかの対応をしてもいいのではないかと考えている。ただし、日本人慰安婦の存在を無視した、いい子ぶりたいだけのパフォーマンスには反対である。アジア女性基金もそうしたパフォーマンスであったと自分は考えている。

話を田原に戻すと、彼はしかし、この問題は1998年の金大中の「過去は問わない」発言で終わったのだと主張する。この考えが妥当かどうは自分には分からない。ちょっと心許ないような気もする。ただ、彼が言うように、日本政府がこの問題を曖昧にしたまま総括していないというのは事実だろう。

糾弾する側もそれを要求しているのだから、政府は徹底的な調査をすべきで、それを日本語・韓国語・英語で公表すればいいと思う。政府調査は一度は行われているが、韓国側への遠慮も見られるし、十分情報が開示されているとは言えない(慰安婦に対する聞き取り内容とその検証)。英国政府が「血の日曜日事件」について徹底した再調査を行ったように、いつかは、外交的配慮も排した徹底的にドライな調査が必要だろう。

(中略)
12月17日に、韓国の李明博大統領が来日した。
日韓の首脳同士が交互に訪問する「シャトル外交」の一環である。
そして翌日、野田佳彦首相と京都迎賓館で約1時間の会談をした。
その会談で野田さんは、経済分野で日韓がいかに協力し合うかを
テーマにしようとしていた。
ところが、李大統領は従軍慰安婦問題にばかり言及し、野田首相を
追いつめたのである。
マスコミ各紙は「会談は慰安婦問題で緊張」「賠償請求問題が再燃」
といったトーンで報道している。
しかし、僕は問題の捉え方が違っているのではないか、と思う。

そもそも李大統領は、慰安婦問題の解決について日本に期待していない。
韓国では、来年4月に総選挙がある。
12月には大統領選がある。
今年10月のソウル市長選で与党は敗北しているため、
李大統領は日本に強硬な姿勢を示さないとならない。
韓国は「反日」で連帯するからだ。
だから、ここで日本に対して強く出て国内での支持率を
上げておきたいのである。
慰安婦問題が持ち出されたのはそのような韓国の国内事情がある。

野田さんも少し誤解をしているようだ。
慰安婦問題を「法的に決着済み」と伝えているが、一般的に
「決着済み」というときは1965年の日韓国交回復での協定を指す。
もしそうであるならば、野田さんはやや認識不足だろう。
当時、まだ韓国は慰安婦問題を十分にわかっていなかった。
これをもって「決着済み」と言うのは無理がある。
それでも、1998年の小渕恵三内閣のときに金大中大統領が、
「過去を問わない。未来志向でお互いの関係を発展させよう」
と言っている。
これでこの問題は、僕は「決着済み」だと思う

ただ僕が問題だと思うのは、日本が慰安婦問題を総括していないことにある。
総括をせずに曖昧なままにしている
僕たちは太平洋戦争についても総括をしてこなかった。
戦争が終わったあと、極東軍事裁判でA級戦犯が処刑されるなどした。
ただそれは、あくまでも連合国側が総括したのであって、
日本が総括したわけではないのである。(後略)